砂時計が止まる日


僕はすぐに新垣の部屋に戻り、スマートフォンなどの貴重品と思われるもの、そして砂時計を持ち、家の鍵を閉めて外に出た。



荒木の自転車が鍵を付けたままだったのでそれを借りて松木東病院を目指す。




僕は今まででは考えられないほど急いでスピードで自転車を漕いだ。



新垣、そんなに辛かったのか?

そんなに苦しかったのか?



それでも僕の隣で笑ってくれていたの?



僕はまだ君の笑顔が見たいんだ。



だから、どうか無事でいて。



僕は病院の駐輪場に自転車を停め、救急救命センターの方へ。

救命センターの前の自動ドアのところに荒木がいた。



「大事はなさそう。
これから由羅は検査受けることになってるみたい。



待ってる間、ラウンジでも行こう。自販機ぐらいはあるから。」



僕は荒木についてラウンジに行った。

そこはラウンジと言うにはどこか不十分でいくつかのテーブルとイス、自販機があるぐらいだった。



「あ、これ。
自転車借りちゃった、ごめん。」



「大丈夫。

倒れたのが白川君と一緒の時でよかった。」



僕は自販機で買ったミルクティーの缶をぷしゅっと開ける。



「由羅からどこまで聞いてる?」



「病気が治らないこと。

そんな病気が検査でなくなったと思われ、余命宣告を過ぎた今も生きている。」



僕はざっくり聞いた話を伝えた。

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