砂時計が止まる日


そこには制服を着た男子生徒が1人立っていた。

私はその姿を見て肩をなで下ろした。



色が白くて茶色がかったサラサラの髪。
少し切れ長でキリッとした目元と対照的な血色のいい唇。



彼の名前は白川蓮。

私の同学年に在籍する生徒の1人であり、学院長の孫にあたる。
その立場にいながら鼻にかけることは一切なく私も好印象を持っている。



クラスこそ一緒になったことはないが、噂をよく耳にする。
ルックスも性格もよくて加えて学院長の孫。女子からの人気も男子からの人望も厚かった。



彼と話したことがあるのは一度だけ。

去年、私が会計になって初めての予算委員会で私が手間取っている時に助けられたことがある。
それ以降、彼を信頼している。



「白川君だったのね、よかった。」



私がそう言うと彼は手に持っていた本を本棚にしまい、かけていた眼鏡を胸ポケットに入れた。

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