砂時計が止まる日


「新垣、大丈夫なの?」



「わからない。

でも今日のために決まった日からずっと歩く練習してたんだから、凄いよあの子。」



荒木は震える声でそう言った。



「あの子、これからどうなるかわからないって。

こんな症例なくて、あの子の体の強さによるってお母さん言ってた。



だから、もちろん薬での治療は行うけど、それ以上は何もしないでできるだけあの子の思うようにさせてあげるって。



多分、由羅自身も覚悟してると思う。

いつ自分の人生が終わるかわからないってこと、あの子は今までずっと向き合ってきてたから。」



彼女に残された時間が短いのなら、出来れば僕の人生を分けてより彼女に生きてほしいと思う。



きっと周りの人たちは新垣が死と生との淵いることを誰も知らない。

でも、知らない方が新垣は喜ぶと思う。



僕は、ただ新垣が幸せならいい。

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