砂時計が止まる日


終業式も無事終えて、新垣が生徒会室に行ったという話を聞き、僕は生徒会室に足を運んだ。



「あ、白川君。」



そこには会長の席に車椅子でついている新垣の姿があった。



「もう下半身の限界みたいで歩けないから車椅子にしたの。



一応、これでもここの生徒会長だから年末資料の承認ぐらいしていかないとだから。」



彼女はそう言いながら電卓を左手で打ちながら右手でその結果を記入している。



「ほんと、慣れてるね。」



「もう、これも出来なくなるかもしれないからね。」



新垣はそう笑いながら行った。



「何言ってるの...まだ来年の夏まであるんだから。」



「そうだよね、ごめん。

弱音吐くのは良くないよね。」



彼女は確実に自分が死に向かっていると思っている。



「もうちょっとさ、楽しめればいいな、青春。

彼氏作ってデート行って、友達と恋バナして。



でも、病人のままそんなの望むのはやだな。

彼氏にまで迷惑かけそうじゃない?



だから、今これからが永くても永くなくても、来世に期待かな。」



彼女の口から出る言葉はどれも明るく言っているがとても暗い。



「生徒会長の仕事、終わった。

病院まで帰るんだけど、白川君送ってもらえる?」

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