砂時計が止まる日
「新垣、メリークリスマス。」
それから少し時間を開けてから僕は病室に入った。
「白川君...来てくれたんだ。」
新垣は目元を軽く擦ってそう言った。
「今日ね少し目が霞むの。
疲れてるのかな。」
彼女は少し悲しそうに言った。
それが口実が事実か、それとも両方か。
それは僕には判断できない。
「これ、プレゼント。」
僕は四角い箱を開けて渡した。
「ピンキーリング...」
新垣はそのリングと僕の顔を交互に見た。
「約束でしょ。守ってね。
僕の居場所でいてよ。」
「もちろん。」
ふたつ重ねて付けるリングの1つを彼女は自分の左手の小指に付けてもう1つを僕の左手の小指に付けた。
「こっちの方が、約束ぽいでしょ。
大丈夫、私は何があっても白川君の居場所だよ。」
そう言う彼女の表情は頼もしかった。