砂時計が止まる日
「ねえ、テレビつけていい?」
しばらく話していると新垣はそう聞いてきたので、もちろんOKすると新垣はファッションショーを見始めた。
「私、この小町っていうモデルさんが大好きなの。
同い年なのに綺麗で強そうで、でも凄く弱そう。
私、この人に出会って初めて人生の未来を楽しみだと思った。」
彼女は画面に写るモデルを愛おしそうに見た。
そんな新垣の姿が嬉しくて僕はずっと彼女の隣にいた。
「見れてよかった...」
最後には彼女は涙を流し始めた。
「この子、きっと。大変だったんだろうな。
お姉さんが凄いモデルっていう状況でデビューして、そのレッテルに負けずにお姉さんとは違う路線で売れて、半年ちょっとでここまで登りつめた。
今も足、引きずってたけどちゃんと歩いたんだもの。
きっと、辛いことばっかだったからこれからは幸せになれるんだと思う。
そんな姿を見れて私はよかった。」
こなファッションショーを見ている間に少しずつ人が集まり、新垣の弟妹にお母さん、荒木もきていた。