砂時計が止まる日
それから何時間が経っただろう。
沈んでいたはずの日はもう昇り始めている。
手術中の赤いランプが消え、たくさんの管に繋がれた状態でストレッチャーに乗せられた新垣が出てきた。
新垣の家族はそのあとについて行ったが、荒木はそうはせずにいたので僕もその場に残った。
「お母さん!どうなの!」
「わからない。腫瘍は取り除いたけどもう臓器が...
だからあとは時間の問題よ。
きっ、きっと6時間はも、たない...」
出てきた璃々花先生に荒木はしがみついて聞き出した。
璃々花先生も言葉を紡ぐのが辛そうだ。
荒木がその場に崩れ落ちるのを横目に、僕はいてもたってもいられず病室に急いだ。