砂時計が止まる日
Thank you to meet me.
「ね、由羅?由羅?」
荒木の呼びかけにも答えない。
「ゆらぁぁぁぁぁぁぁ!」
荒木の新垣を呼ぶ声が病室に響き渡る。
「嘘だよね、由羅?由羅!」
僕の足に力が入らなくなり膝からがくりと崩れ落ちた。
遠くで4人が泣く声が聞こえる。
それでもどうしてか、僕は涙が出てこない。
ただただ体を呑み込んでしまいそうな虚無感。
新垣由羅というたった1人の存在が僕の中でどれだけ大きかったかが身にしみた。
それからはあっという間だった。
お通夜は近親者のみで行われ、葬儀が行われる。
僕はたった1人で呆然としていた。
このやり場を失ったこの思いをどこにやればいいのだろう。
葬儀、告別式には生徒会役員、一部の学校の先生、カフェの店員の方々。多くの人が集まっていた。