砂時計が止まる日
新垣が亡くなってから何日が経っただろうか、今日は始業式だ。
《ここで生徒会よりご報告があります。》
始業式が終わったあと、そのアナウンスで壇上に生徒会役員5人が並んだ。
《白川学院高校生徒会会長、新垣由羅に関しましてご報告があります。
新垣由羅は昨年12月25日に持病により、亡くなりました。》
副会長の菊池君の言葉でホールがザワザワする。
《静粛にお願いします。
会長のお母様より、会長からの、お手紙をお、預かりしております。》
菊池君の震える声がホールに響いた。
《代読致します。
生徒会役員、及び白川学院高校のみなさん、先生方へ。
お久しぶりです、新垣由羅です。
この手紙が読まれているのはいつでしょうか?
きっと、もう私はみなさんの近くにはいないのではないでしょうか。
突然のご報告で驚かせてしまっていると思います。
私は病気を持って生まれてきました。余命宣告を受けたのは4歳の時です。
そんな体で生徒会長に立候補し、このような形になった私をどうかお許しください。
私は生徒会長として皆さんと関わることが出来てとても幸せでした。
みなさんと作った思い出は数しれません。
きっと、みなさんにとってはちょっとしたことかもしれません。
でも、そのちょっとした幸せや思い出をどうか大切になさってください。
先生方、今までたくさんご迷惑をおかけしました。
たくさん本音をぶつけさせてもらいました。
それで何かがいいほうに変わった、そんなことがあれば幸いです。》