砂時計が止まる日
「これだけ香り高い紅茶はダージリン。
“紅茶のシャンパン”って呼ばれてたはず。
凄くメジャーな茶葉。
くせも少ないしどう飲んでも飲みやすい。個人的には一番好き。」
私の話に相槌を打ちながら白川君はかちゃんと私の前に置いた。
「めしあがれ。」
私は彼が向かいに座ったのを見てカップを持った。
「規則破り仲間に乾杯?なんてね。」
彼はそう言ってカップを少し上げた。
私もそれを真似てカップに口をつけた。
多分、この茶葉は凄く高い。
でも淹れ方も凄くいい。
「美味しい...」
スッとした香りと飲み口。
思わず呟いた。
「よかった。
来賓の人に貰ったんだけど、どうにも学院長も校長もコーヒー派でね。
僕が貰ったんだけど1人で飲む量じゃなくてね。
茶葉持ってく?
そっちの方が僕も助かるんだけど。」
その言葉に私が思わず目を輝かせると彼はくすっと笑った。