砂時計が止まる日


「答え出たみたいだね。」



そう言って彼はさっきいた方へ戻ったいった。



カフェのマスターも希良さんも無類の紅茶好き。
明日のバイト後にでも3人で飲もうかと考えた。



「はいどうぞ。」



私の前に置かれたのは高そうな紅茶の缶。



「こんなにしっかり話したの初めてだよね。」

「去年の予算委員会の時に話した以来だよ。
あの時は本当にお世話になりました。」



私は頭をさげる。
上から彼の少し笑う声が聞こえる。



「いいの。あの時は教員側が悪いから。
教員といえど引き落としの申請ミスはミスだし、それを黙認するってのもあってはいけないから。



それに新垣の顔を見たら新垣は間違ってないなって思ったんだ。
あんな泣きそうな顔見せられた誰だって放っとけないでしょ。」

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