砂時計が止まる日
やがて今日渡された請求明細の数を照らし合わせていく。
『予算案と数は同じ。
ついでに差を生んでいるのはこれ。
宮田先生、あなたのです。』
机に並べられた請求明細から1枚ペラっと持ち上げられた。
宮田という名の私の胸倉を掴んでいた教師は目を見開き、掴む手を下ろした。
私は掴みあげられていてつま先しかついていなかった足をかかとまでつけた。
結局あの後、発言や行動が問題視され、批判が殺到した。
どこまでが本当かは定かではないが、彼は自主退職した。
今思えば簡単な話だけれど、この時の私はただ目の前にある屈辱と悔しさ、そして緊張した空気に負けて証拠を差し出すことを思いつかなった。
今も思い出すだけで苦しさが思い出されて咳をしそうになる。
「あれからだよ、新垣由羅英雄伝説。」
生徒に嫌われていた宮田の退職は生徒から歓迎された。
「私は何もしてないじゃん。
言ってくれたのは白川君じゃない。」