砂時計が止まる日
蓮side
僕はクラスの養生テープがなくなり、生徒会室に取りに行った。
人がいる気配がなかったので、ノックもせずに扉を開けた。
そこにな真っ赤な法被を羽織った新垣がいた。
目が合うとすぐに彼女は手に持ったものを背中に隠した。
何を隠したのか気にはなったが誰だって知られたくないことの1つや2つはある。
僕は気にしていないように振舞った。
「新しい養生もらっていい?」
「ちょっと待ってね。」
新垣はそう言って段ボールを覗いた。
その箱は空で彼女はため息をついた。
机の横にある棚の上から段ボールを降ろそうとしていた。
身長は足りているが段ボールを持つ腕はプルプルと小刻みに震えている。
今にも落としそうな様子は見るに耐えず、彼女の後ろから箱を支えた。
「あ、ありがと。」
持ち上げた箱は確かに重かったが、女子でも悠々と持てる重さだ。
明らかに新垣の力量が足りていない。