砂時計が止まる日
少しだけ着崩した制服で教室に戻る。
教室ではシフトを確認したりパンフレットで回る所を確認したり。
それぞれが文化祭への最終調整をしている。
どうか、みんなにとって幸せな文化祭になりますように。
私が心の中で呟いた時、開祭を告げるベルが鳴った。
歓声が上がり、みんながそれぞれ教室を出ていく。
「最初、よろしくね。
掴みが大事だから。」
「会長も頑張ってよ。
忙しいんでしょ?」
私はその言葉に笑って頷いた。
ふと見た時計の時間はツアーの準備に取り掛かる時間を指していた。
つい、10分前に着崩した制服を元に戻す。
ここからは生徒会長新垣由羅。
私はツアーの旗を持って参加者を待つ。
待機ブースには既に人が集まり始めていた。
制服を着た中学生が多く、友達同士や親と来ている人ばかり。
けれど、中にはこの高校の卒業生もいた。