砂時計が止まる日


すれ違う人たちがみんな笑顔で、私はまた少し足を進めるスピードを上げた。



「新垣です、シフト交代に来ました〜」



今回の大変な理由はこの迷路だ。

出来るだけシフトの時間を減らすために2人で回している。



それでも生徒会役員は6人だから文化祭の時間の3分の1を持っていかれることになる。

しかもそれに加えて担当は1人1回だがツアーの担当もあるし、クラスや私以外の役員には部活もある。



それにこの迷路を2人で回すには1人は受付と後援会からいただいたボールペンを景品として渡し、もう1人はクイズの正解数を確認し、その先のテレビで流す動画を選択しなければいけない。

その忙しさ、大変さを承知の上でこの企画を許してくれた他の役員たちには感謝しかない。



私は部活の担当もある他の役員の分もシフトに入る。

それを言った時のみんなの反対を押し切ったのだけれど、せめてもとシフトを1日目だけで収めくれた。
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