砂時計が止まる日
受付を菊池君と代わり、私は入口横の椅子に座った。
迷路だがクイズの内容が学校紹介なだけに、ほとんど中学生しか来ないから来る人は少ない。
「すいません、生徒会の企画ってここですか?」
そう、小学生ぐらいの女の子を連れたお母さんらしき女性が声をかけてきた。
私がYesの答えを返すと少し安心したように笑った。
「今、入れますか?」
「はい、大丈夫です。
中は迷路になっています。
正解の道の途中に挑戦状、と書かれた貼り紙があります。
その答えをこの紙に書いてゴール近くの白い箱に入れてください。
入れたらそのまま道を進むとテレビに映像が流れます。
是非ご覧になってください。」
私は2人に解答用紙と筆記用具を渡して中に入れた。
「一夏、2人入ったよ。」
私は机に置いてあった小さなマイクで中にいる一夏に伝え、机に貼ってある紙に書かれた正の字の線を足した。
「お疲れ様です。
記念品のボールペンです。
お越しいただきありがとうございました。」
数分後、私は2人から筆記用具を受け取り、袋に入ったボールペンを渡した。