砂時計が止まる日
人もまばらで、特別忙しいわけでもなく午前中のシフトが終わりの時間を迎えた。
「会長、代わります。」
次の担当の高1の子がシフトの交換で来た。
私は受付の椅子から立ち上がり大きく伸びをした。
腕時計で時間を確認すると予定の時間より15分ほど早い。
時計から顔を上げてその後の顔を見るとふい、と視線を外された。
「じゃあ、私は中のシフトまでお昼探しに行ってくるよ。」
「はい、ゆっくりなさってください!」
彼の少し嬉しそうな顔を見て私は第一ボタンを外した。
「...ありがとね。」
彼が椅子に座ったのを確認してその横を小さく呟いて通ってA棟へと足を向けた。
本当、優しい同輩後輩に恵まれていると思う。
そもそも、受付と中のシフトの間に30分ほど時間があった。
後輩の心遣いで増えた一時の休憩、さて、どうしよう。
「とりあえず、食料にありつきたい。」
自分自身でも隠しきれない空腹を多少なりとも満たすために食品が売られている教室へと行き先を決めた。