砂時計が止まる日
その日の午後は裏でポップコーンを食べながら客が来る度に問題の答え合わせをして映像を流す、ということを繰り返していた。
忙しさと、少しの幸福感を胸に1日目が過ぎ、翌日文化祭2日目。
私はクラスのシフトで浴衣を着て縁日の射的の担当をしていた。
「会長、今おわり?」
最初のシフトで一緒だった子がもう一度シフトで戻ってきて私にそう言った。
「あー、昨日入れなかったから午前中だけずっといたの。
でもまあこれでおわり。」
「ねえ、そこの子。三つ編みの。」
後ろから声が聞こえた。
確か今この教室にいる子で三つ編みをしてるのは私だけだ。
「おっ、やっぱアタリじゃん。」
「ほら、言っただろ?」
その声に嫌な感じをいだいたが、仕方なく振り向くとそこには他校の制服を着た男子高校生が2人いた。
「あ、もしかして生徒会長!?」
「そうですが、何か?」
明らかにこちらに迷惑をかける以外は見えない2人組は、パンフレットに載っている私の挨拶と写真を見ながらそう言った。