砂時計が止まる日
「さっきまで浴衣着てたけど、もう脱いでるってことはもうシフト終わりでしょ?
俺らと遊ばない?」
「お断りします。」
面倒な輩に捕まった、と適当にあしらうも向こうは“そう言わず〜”と食い下がる。
私は今話してた子に視線を送るも彼女もおろおろしている。
「ごめんなさい、先約がいるんです。」
そうだ、私はこれから白川君と約束している。
この人たちに構っている場合ではない。
「いいよ、その子も一緒に行こうよ。
可愛い子の友達は可愛い子多いじゃん。」
私はこの人たちが何かを勘違いしていることに気付いた。
さて、これからどうするか。
白川君を待たせるのは嫌だ。
どうにかここを切り抜けたい。
「ごめんなさい。
大切な友達との約束なんです。」
きっとここでその友達が男だと言ったら余計面倒なことになる。
「その友達と遊ぶより俺らと遊んだ方が楽しいぜ?」
「そうだよ、生徒会長さんなんだから普段はお堅いんでしょ?
文化祭ぐらい楽しまなきゃ〜」
彼らはあの手この手で私に絡んでくる。