砂時計が止まる日
May I fall in love with you?
「240...合ってる...」
文化祭かどれだけの日が経っただろうか。
私は明日に迫った式典で来賓に配る記念品の数を数え終え、ため息をついた。
いったいラッピングを始めた時からどれだけ時間が経っただろう。
時計を見上げると6時をとうに回っていた。
本当に不運だと思う。
菊池君は体調不良、一夏はどうしても外せないという家の用事で、1年生の1人は法事、他は部活の大会で出払っている。
たった一人で240人もの記念品をラッピングしなければならなかった。
改めて今日のバイトのシフトを外してもらっておいて正解だったと思った。
今から帰って夕食の準備をしなければ類や心菜を待たせてしまう。
私は急ぎ足で学校を出た。
記憶の中の時刻表と腕時計の指し示す時間を照らし合わせて足を動かすスピードを早める。
今日は金曜日、明日の土曜日は午前中は短縮授業で午後は記念式典が学院内で最大の講堂のあるうちの学校で行われる。
私はそれに生徒会長としてそれに出席しなければならない。
その後は来賓などを招いてのパーティーが行われる。
私はそのパーティーの帰り際に来賓の人たちに渡すことになっている。
この年に生徒会長になった私は幸か不幸か。私はまたため息をつく。
太陽が沈んだもののまだ薄明るいこの時間。
私は1人下をむいて駅へと足を進める。
ふと帰りたくないと思ってしまうのは何故だろう。
家では2人が待っている、私は邪念を振り払い止まりかけた足をまた進める。