砂時計が止まる日


翌朝、濡れた頬を拭いながら布団から這い出る。



平日のように2人を起こす必要がないから気持ちが少し楽に感じられる。

朝ごはん用に冷めても大丈夫そうなものを作りラップをかけて机に並べておく。



いつも土曜日は類の弁当のつまみ食いで満腹になってしまう。
類の弁当を作り机に置いておいた。

きっと母さんはもう家を出ている。
階段で降りてきた時靴がもうないのを確認した。



着替えてヘアアイロンのスイッチを入れてから私はお財布を持ってきて中を見る。



お札は1番安いもの2枚しかない。
今月も食費がなくなった。
今月分の給料を引き出しに行かなくてはならない。

むき出しの2500円を置きメモを添える。
500円は心菜のお昼代、2000円は2人の夕食代。



小銭だけになったお財布をバッグに入れて私は髪を巻く。
といっても内巻きにして前髪を巻くだけ。

式典だし目立ったことは出来ない。
無難に清楚に。
メイクだってホント気持ちだけ。



それなりに準備をして家を出た。



重たく感じる足を進める。

普段はあまり座らない席に座って学校の最寄り駅に着くのを待つ。

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