砂時計が止まる日
「そうそう。この前の役員会で話題になってた美人生徒会長さんだね。」
「お褒めに預かり光栄です。」
高校生にあまり似つかわしくないこの言葉が上滑りしていないかと不安になる。
「彼女、蓮と同学年ですよ。」
ここで初めて校長が口を開いた。
「おー、そうか。どうだい、蓮は?
話すことはあるんだが、学校での様子とかはあまりわからないんだ。」
「蓮君にはいつもお世話になってます。先日の文化祭も一緒に回らせていただきました。
以前、先生方と口論になった際も助けて頂きました。」
私が白川君のことを“蓮君”と呼ぶことに違和感を持ちながらそう言うと学院長は面白そうに笑う。
「君はその時の子かね。
話を聞いた時には驚いたが、蓮が正義感の強くて自分の意志を言える子がいるって話していたが、君だったかね。」
学院長は私のことをじっくりと見る。
私はその姿に思わず愛想笑いしか出来なかった。
「それで今日の記念品を運ぶのかね?」
「あ、はいそうです。」
学院長が台車に目を向ける。