砂時計が止まる日
「そうか、今年の生徒会長は忙しいな。
誰かがやらなきゃいけないことだからな…
でも新垣さんのような人がやってくれて助かるよ、ありがとう。」
“助かるよ、ありがとう。”
学院長の言葉に私は目を見開いた。
私を労う言葉や応援する言葉はもう何度も聞いた。
でも感謝を述べられたのは初めてだった。
私はその言葉に深く頭を下げた。
「あ、学院長。そろそろ来賓の方がいらっしゃるので。」
「おおそうか。
じゃあ新垣さん、今日はよろしくね。」
私は式典が始まるのは3時半で今はまだ1時なのに随分と早く到着する来賓がいるものだと思いながら頭をさげて見送った。
私を必要としてくれている人がいるだけで私は頑張ろうと思える。
私のしてることが誰かに誰かの役に立っているということが私の生き甲斐。
さっきよりもメンタルがかなり回復した私は少し顔を向いて台車を押した。