砂時計が止まる日
「あ、新垣!」
生徒会室の前に着いた頃、後ろから声をかけられ振り向いた。
その姿を見て私は思わず目を見開いた。
「白川君...」
私がそう名前を呟くと彼が笑い、白い歯が顔を覗かせる。
「教室に行ってもいないからここに来れば会えると思ってね。
僕も新垣も話せる人、他にいないからさ。」
髪型のせいかいつもより少し大人っぽく見える彼の言葉に私は頷いた。
「これから記念品の運搬用にダンボールに詰めなきゃなんだけど...」
「あぁ、それなら僕も手伝うよ。
1人より2人の方がいいでしょ?」
そう言って彼は生徒会室のドアを開けた。
「うわ、こんなに...」
「本当は昨日やっとくべきだったんだけど私の体力切れで諦めたんだよね。」
彼は私のことを少し見、また部屋の中を見た。
そして制服のブレザーの袖をめくり時間を確認した。