砂時計が止まる日
「まあまだ時間は結構あるし2人でやれば余裕でしょ。
ダンボールって確か隣の部屋にあったよね?」
彼はそう言って生徒会室2という名の備品庫からかなりの数のダンボールを持ってきて部屋に入っていった。
私も慌てて学園紋章の印刷してある表面がコーティングされた紙袋を240枚まとめておいたビニル袋を持って部屋に入った。
記念冊子やボールペン、紅白饅頭と記念ロゴマークの入ったピンバッチは生徒にも配られた。
それにマグカップとガラス製の卓上万年カレンダー。
それが各240あるからほとんど空きがなくなった生徒会室。
生徒会長用の席と私が1人通る道だけ。
「テープある?」
彼はダンボールを広げてこっちを見ていた。
「あ、あるよ。投げちゃっていい?
ハサミは私の机の使っちゃって。」
私はドアのそばの棚から透明なテープを取り出す。
「お、ありがと。」
その声と同時にビリビリとテープをめくる音がする。
彼がいる私の机の横、その近くには記念冊子がある。
私も使いかけのテープを取り出し、私の机の彼とは反対側の横で一夏のハサミを借りてダンボールを組み立てた。
私が入れるのは卓上万年カレンダー。
乱雑にならない程度に手早く詰めていく。
互いに会話もほとんどなく作業を続ける。