砂時計が止まる日
ビリビリ
私が詰め終わりテープをめくると沈黙の空間に響く。
その音で白川君が顔を上げる。
「え、新垣早すぎない?」
「そう?事務仕事に慣れてるのもあると思うけど。」
彼の近くには記念冊子があと20冊ほど。大して差はないだろう。
私はテープを切り、口が開かないようにしてからダンボールを持ち上げて足場の少ない生徒会室を出た。
全てのダンボールを台車の横に置き終わり、腰を伸ばしていると白川君がダンボールを立て続けに4個出てきた。
中で出入口近くまで一旦運んでいたのだろう。
「ありがと。」
私はそれを置いた白川君にそう言った。
「いえいえ、じゃあ次の取り掛かるね。」
彼は颯爽と生徒会室に入っていく。
白川君に遅れをとらないように私も急いで部屋に戻る。