砂時計が止まる日


私は廊下の時計を確認して笑う。



「じゃあ、今から運んでカフェテリアで休憩するのはどう?

カフェのテラス席ならその場所も見えるし。」



「うん、そうだね。

あとでお財布取りに行かなきゃ。」



私はそう言って今朝見たお財布の中身を思い出した。

300円はあった気がする。
パンと飲み物は買えるはずだ。



「新垣、荷物持ってきなよ。

僕は事務室で台車借りてくるから。」



彼はそう言ってC棟へ足を向けた。

私は彼とは反対側のA棟に向かう。



私が教室から持ってきたブレザーのジャケットと鞄をからっぽになった生徒会室に置いて廊下に出ると白川君が台車とともに戻ってきていた。



2人で6個ずつダンボールを乗せてエレベーターを目指す。



「詰めるのも運ぶのも手伝わせちゃってゴメンね。」



「いいのいいの。

“困った時にはお互い様”っていうじゃん?」



私はその言葉を聞いて目を見開いた。

“困った時にはお互い様”これは私がよく口にする言葉だった。



「これ、新垣がよく言う言葉だって荒木が言ってたよ。」



一夏の名前が出てきてさらに目を見開く。

一夏、そんなこと言ってたんだ...

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