砂時計が止まる日
バレないように小さくため息をついてから2人に頭を下げた。
「ではここからは私たちが運搬しますので。」
「はい、よろしくお願いします。」
2人が作業を始めているのを確認してから私は2人にもういちど頭を下げ、テラスに戻った。
「そろそろ、行こっか。」
私が戻ると白川君は椅子から立ち上がる。
私たちが講堂に着いた時、まだそこには誰もいなかった。
800人近く入る講堂に240人の来賓に高校、大学、幼稚園の教諭や教授、大学病院の一部の先生。
どんなに多く見積って500人。
まあかなり席を無駄にしてる気がしないこともない。
最前列の一番左の席に2人で並んで腰掛けた。
今日の来賓はPTA会長や地域の自治会長はもちろん区長や卒業生を始め、この100年間の間でお世話になった方がこの場に集まる。
「緊張...してる?」
私は隣から声をかけられて少し目を見開く。
「ちょっとね...いつもは生徒だけに向けてっていうのが多かったから。
ガチガチではないけど。」