砂時計が止まる日
隣に座っていた一夏を私は手で制止した。
『私が1人で行います。
それで問題ないでしょう?
先生方はそれぞれのお仕事を行ってください。
異議がない場合は本日の委員会は終了します。』
私がそう言うと体育館は静まる。
やがて何人かの先生が立ち上がり、体育館から出ていった。
生徒もバツが悪そうに出ていき、残されたのは生徒会役員だけだった。
『由羅、どういうつもりよ!』
『どうもこうも、さっき言った通り。
所詮240人よ。
それに中央委員会は終わったの。
もう今更変えることは出来ない。』
私と一夏の話を他の役員の4人が見ているのはわかっていた。
『でもそれだと、由羅の
『良くないことはわかってる。
一夏が私を思って言ってくれてることも、全部わかってる。
でも誰かがやらなきゃいけないことじゃない。
私はお礼をしたいの。
困った時はお互い様なんだから。』
私がそう言うと一夏は黙りこくった。
今もしっかりと一夏の言葉が頭の中に刻まれている。
『わかった。
だけどこれだけは約束して。
由羅、あなたはあなた自身のことを大切にしなさいよ、無理はしちゃダメ。』
一夏との約束は守るから。
私は私なりにお礼がしたい。