砂時計が止まる日
この列は私と白川君の2人だけ。
「そんな緊張しなくていいよ...」
私は白川君の言葉に小刻みに首を横に振った。
園長先生が入ると次々に学院長らが乗り込んでくる。
車は走り出し、彼らは談笑を始める。
私は少し唇を噛みながらその話に耳を傾けていた。
私に気を使ってか白川君は振られた話にだけ答えて、それ以外は相槌をうつだけだった。
ホテルに着くと私は白川君たちを送り出してメモ帳に書かれた準備する会議室に向かう。
会議室には山ほどのダンボールがあり、私はため息をついた。
まあ、事務的な作業だから時間はかからないだろう。
ホテルの方にお願いして何か飲み物でも貰おうかな、と考えた。
「あ、でもそれにはATM行かなきゃ。お財布からっぽじゃん。」
私はそんな独り言をいいながらバックの中のカッターでダンボールの封を切り続けた。
5分ほどで45個のダンボールは開け終わり、机に記念品の種類ごとに並べて出した。
袋1つ1つに記念品を流れ作業で入れていく。
並べられていた記念品はなくなっていき、そこそこの重さになった袋が増えていく。
「喉乾いた...」
私はそんなことを呟きながら手を動かす。