砂時計が止まる日
コンコン
「はい!」
1時間半ほど経っただろうか、作業が終わりゆっくりしていると、ドアがノックされて私は返事をした。
ドアが小さく開くとそこにはベージュ色のワンピースを着た園長先生がいた。
「新垣さん、まだお仕事中かしら?」
彼女は申し訳なさそうに言う。
「いえ、先程終わったところです。」
私がそう言うと彼女は嬉しそうに目を輝かせる。
「あの、私のお願い聞いてもらえるかしら?」
「私に出来ることでしたら、なんでも。」
私の言葉にさらに顔を輝かせる。
キョトンとした私の手首を数時間前に白川君が私にしたように引き、どこかへ連れ出した。
着いたのはドレッサーなどが並べられた部屋だった。
「あのね、女の子を可愛くするっていうの夢だったの。」
私は彼女に促されて椅子に座る。
「聞いたことあるかな、私ね27の時にここのガンで子宮を全摘出してね。」
彼女は下腹部を指さした。
「それから結婚したけど、もちろん子供は出来ないし、弟たちの子供も男の子ばっかでね。
ずーっと、女の子の親戚が欲しかったの。」
彼女はそう言って鏡の中の私を見る。