砂時計が止まる日
生徒会室に着くと山積みの書類が一番に目に入った。
「「「会長...」」」
みんな私の姿を見ると泣きそうになりそうになる。
「はいはい、そんな目で私を見ないの。
私も手伝うから手動かして。」
私は書類の山の1つを自分の机に置いた。
タブレットの電源を入れて入力するソフトを開いた。
山の上からプリントを取って入力をする。
こういうのは去年嫌という程繰り返した。
「言っとくけど、1年やったら誰でもああなれるってわけじゃないよ?
あのスピードは由羅がおかしいだけ。」
一夏が私を見て、1年生3人にそう言う。
自覚はないけれど私の入力のスピードは一夏の言葉を借りるならおかしいらしい。
そこから20分ほど入力し続け、無事残っていた山のような書類は片付いた。
「ありがと、由羅助かった。
ホント、強力な助っ人だわ。」
「いえいえ、これぐらいどうってことないって。」
私は一夏と教室に向かったいた。
一夏とは去年は同じクラスだったけれど今年は文理が違うこともあり離れた。
「あ、そうだ。
母さんから預かってたんだ。今週の分。」
私は一夏から白い紙袋を受け取る。
「ありがと。今週忙しくて行けないから。」
「ん、気をつけてね。」
私はその言葉に頷いて教室に向かった。