砂時計が止まる日
I'll never forget love with you.
式典の翌日、毎週日曜恒例の家族4人での食事。
今日はいつぶりがわからない外食、と言っても近所のファミリーレストランだ。
「由羅、まだ疲れてるんじゃない?」
料理が到着する前にお母さんが私にそう聞いてきた。
「まあ疲れてるけど、昨日は昨日で良かったから大丈夫。」
「由羅の大丈夫は一番信用ならないけどね...」
お母さんがそう言って笑った。
信用ならないと言われても“大丈夫”と口にしていないと大丈夫じゃなくなる、というのか“大丈夫”という言葉は私自身の精神安定剤のような一面があるからどうしても口にすることが多い。
「姉ちゃんさ、あの文化祭の時の男とは結局どうなの。」
私は類の言葉に目を剥いた。
「何度も言ったじゃん?
白川君は私の恩人。
それ以上でもそれ以下でもない。」
私はそう言いながらドリンクバーの紅茶を飲んだ。
「でも私はその白川君とやらはお姉ちゃんに気があると思うの。」
心菜が私のことを置いてあるティースプーンで指した。
“気がある”だなんて心菜に言われると私の勘違いするラインがどんどん近付いてくる。