砂時計が止まる日
お母さんはそう言って私より先にレジの前を去っていく。
「お母さん、せめて1000円だけでも出させてよ。」
私がお札を差し出すとお母さんは笑って受け取った。
「由羅は本当にいい子に育ったね。
由羅になら2人のこと任せられるわ。
由羅がいなくなったら2人はどうしましょ。」
お母さんが何気なく発した言葉に私は胸を抉られる感覚を覚えた。
「ねえ、お母さんそれどういう...」
「あ!もちろん由羅が自立したらって話よ!
ごめんね悪気があるわけじゃないから!」
お母さんは少し焦ったように言う。
「あはは、わかってるよ。」
私はちょっと力なく笑ってみせた。