砂時計が止まる日


「あ、もしかして前から噂あるけど白川と会長って付き合ってる感じ?」



「え?なんで僕と新垣が付き合ってるなんてことに言われるのさ。」



浅川の思いがけない発言に僕は目を見張った。



「この前の文化祭も一緒に回ってただろう?それに最近仲良いし。



白川も会長も見た目よくてしっかり、してるから高嶺の花、って感じでさ。

人間そういう人の噂とか好きだから、そんな人同士が仲良くしたら多少なりとも噂は出るものだよ。」



浅川はそれを当たり前のように言う。



僕自身は自分が高嶺の花、ということはよくわからない。



でも、新垣には高嶺の花...というか誰のものでもない、彼女でいてほしい。

これは僕のワガママでしかない。
それでも新垣は凛とした1人の人としていてほしいと思う。



もちろん、新垣のことが嫌いというわけではない。

むしろ、新垣が望むのならば付き合う、ということも僕としては一向に構わない。



でもきっと彼女は恋愛に目を向けるほどの時間を今は持っていないだろう。



だから、僕は新垣の隣に“いい友達”としていたい。



“白川君がいれば大丈夫。”

そう思ってもらえるような存在になりたい。

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