“私がいなくなったら、この世界はどうなると思う?”
“たった一人じゃ世界は変わらない”
*
───そう言った由羅はどんな気持ちだったのだろう。
病名は分からないけれど、小さい頃から病気で先の見えない暗い世界を生きていた由羅。
それでも彼女は“誰かの希望になりたい”と、生徒会長として自ら積極的に誰かのために動く。
確かに、この地球には46億人もの人が暮らしていて、“たった一人”いなくなったくらいでは彼女の言うように大して変わらないのかもしれない。
でも、その“たった一人一人”がこの世界を作り上げているんだ。
きっと、彼女は多くの人の希望、そして憧れられる存在だった。
彼女がいなくなってしまったけれど、蓮の世界に彼女はいつまでも残り続けるんだろうな。
───砂時計が止った日。
だってそれは、彼女が蓮に希望を与えた日だから。
p.s:由羅と蓮が来世でまた会えることを願って。