最初で最後の恋

――――――・・・
―――――――――・・

そして、連れて来られたのは、
体育館裏。

(こうゆうのって、漫画でよくあるよね)

ベタだなー。と思いながら、
先輩を見る。

『あの、なんですか?』

「あんた、雄大の何?」

思いもよらない先輩の言葉に、
私は声を張り上げた。

『なんのことですか!?』

「いい子ぶるのもいい加減にしてよ。
雄大に気があるんでしょっ。」

先輩の大きな声と共に、
頬に痛み。

『痛っ。
・・私、あの人には興味ないですから』

私は先輩を睨みつけ、はっきりとそう言った。

「興味ないだって?
見えすえた嘘付くんじゃないよっ。」

先輩はそう言い残すと、
足音と共に戻って行った。

先輩が去ったと同時に、
足の力が抜け、
ヘタ。と地面に座り込んだ。

『なんだったの・・・。
どうして、あたしがこんな目に・・・。』

頬はひりひりと痛み、
出てくるのは、モヤモヤした気持ちばかり。


『はぁ・・・』

私は一人、
薄暗い体育館裏で、深いため息を吐いた。




< 13 / 21 >

この作品をシェア

pagetop