最初で最後の恋
あの人・あの子


『・・・・・』

私は一人掲示板を見つめ、固まる。

『う・・・受かったぁぁっ』

泣いている人や、両親と喜んでいる人達を前に、

私は両手を挙げて飛び跳ねた。

はっ。っと気付いたように、

静かに手を下げた。

自然に頬が柔らかくなるのを押さえ。

家へと続く道を歩き出した。

私の両親は、

「なっちゃん、一人で見ておいで」

と言って、今は家で待っている。

スキップのリズムを取る足を押さえながら、

小走りで家へと急いだ。


『ただいまっ』

勢い良く玄関のドアを開け、

乱暴に靴を脱ぐ。

「なっちゃん、おかえり。

どうだった?」

お母さんがわくわくした様子で私に問いかける。

『実は・・・』

「実は・・・?」

『相原夏、16才っ。
めでたく、合格しました!!』

万歳をしながら大きい声で言った。

「なっちゃんっ。
お母さん、嬉しいわ。
頑張ってよかったわね。」

お父さんも喜ぶわ。と付け足して、

私より大きい声でお母さんは言った。

私が合格した高校は、

県でも有名な、輝葉高校。

私が受験した理由、
それは、制服が可愛いから。

それはどうかな。って思う人は多いと思う。

でも、制服を見れば、そんな考え吹き飛ぶだろう。

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