最初で最後の恋
「夏、夏っ」
『え、あ、はいっ』
慧が話しかけてきた。
『あ、慧。
久しぶり』
「は!?
や、まぁ、久しぶり」
久しぶりに登場の慧が、
なぜかまぶしく見える。
(あれ・・・。
なんか、おかしいな)
『最近、寝不足だからかな』
そう小さく呟いて、
私は寝ることにした。
「おやすみ~」
と慧が言ったので、
軽く返事をして、
眠りについた。
――夢を見た―――
「夏、こっち。」
愛しい人の声が聞こえる。
顔は、眩しくて見えない。
愛しい人が、駆け寄ってくる。
私がその手を取ろうとした瞬間に、
目の前が真っ暗になる。
カッ。と、
光が入ってきて、瞼が痛くなる。
「夏・・・?」
誰、誰なの。
「ごめんな、俺もうだめだ。」
頬に優しい手の平の感触。
「ありがと、な。さよなら」