最初で最後の恋
時計を見ると、
8時05分
『やば・・・。』
小さく声を漏らして、パンに食らいつく。
牛乳を飲んで、
二階へ上がる。
制服に着替え、鞄を持ち部屋を出る。
『お母さん、行って来るっ』
「行ってらっしゃい。頑張ってね」
鏡を見ると、新しい制服に身を包んだ。
高校生の私。
『やっぱり可愛いな』
制服にうっとりしていた。
こんな場合じゃない!と気を取り直して、家を出た。
ちょい。と自転車にまたがり、全速力を出す。
信号が赤になったので、止まる。
『間に合うかな・・・。』
携帯を開いて、時間を見る。
8時15分。
あと15分か・・・。
と思いながら、信号を見つめる。
私の家から高校までは、自転車で行っても20分程かかる。
全力で行けば、なんとか間に合うだろう。
信号が青にかわり、さっと渡る。
学校に近づき、周りを見る。
まだ歩いている人がいる事に
気付いて、息を付いた。
校門の前で降り、自転車を止める。
『はぁ・・・。
着いたっ!!』
鼻歌なんかを歌って、玄関へと向かう。
『この辺のはずなんだけどな。』
クラスが張り出されている掲示板を探す。
と、人が集まっているのを発見。
ダッシュでその中に入っていく。
一番前まで行き、自分の名前を探す。
『あ、あった。』
クラスはB組。
A組からE組まであるうちのB組だ。