最初で最後の恋
確かに、1年B組の欄には、
相原 夏。
と自分の名前が入っている。
とりあえず教室に行く事にした。
友達出来るかな。
だとか、
いじめられないかな。
と言う不安が出てきた。
教室に入ると、静かに皆、
席に付いていた。
そんな中、私は注目の的。
ささっ。と自分の席に付いた。
5分もしないうちに、
担任が入ってきた。
「おはよう。
今日からこのクラスの担任の
堂本功太だ。よろしくな」
暑苦しい笑顔を浮かべ、一人の男が入ってきた。
こんな担任、いやだな。と心の中で呟いた。
「ねぇ・・・」
『え?』
ぱっ。と隣を見ると、
人懐っこそうな男の子がいた。
「俺、田中慧。よろしく。」
勝手に自己紹介をされ、
勝手によろしくされた。
『私、相原夏。よろしくね』
小声で話す。
まさか高校初の友達が、男友達だなんて
思わなかった。
「ちょっと慧!
脅したら可哀相じゃない。」
前の女の子が振り向いた。
「うるさい。
脅してないっ。俺は夏と友達になったんだよ。」
いきなり呼び捨てかいっ!!
とつっこみを入れる隙もなく、二人は言い合いを始めた。
「何を言ってるのよ!
ほら、相原さん困ってるじゃない。」
「困ってない。
夏と俺はな、もう友達なんだよ」