最初で最後の恋



高校に入学してから、1週間が経った。

クラスにも慣れて、慧や希の他にも友達が出来た。

『おはよ』

教室に入って、私は言った。

「『おはよー』」

と、元気の言い、声が
聞こえた。

席に付くと、恵美が話しかけてきた。

恵美は、新しく出来た友達だ。

とてもいい子だ。

「夏、杉本君、いるじゃない?」

杉本?

『え?誰、それ。私、知らない。』

「えぇ!?知らないの。」

恵美は目を見開いて私を見る。

『うん・・・』

「杉本君よ!?
あの美しい顔に・・・抜群なスタイル・・・。
まあ、少しだけ性格に問題ありなんだけどね」

恵美はうっとりしながら言う。
性格に問題ありじゃ、だめじゃない。

「夏、おはよ。
恵美、どうしたの?」

希が近づいてきた。

『おはよ、希』

「ねぇ聞いてっ。
夏ったら、あの杉本君を知らないって言うのよ」

「夏、知らないの?
2年生の先輩で、杉本雄大。
超が付くほどかっこいいんだって。
女遊びが激しいけどね。
それに、あたしはあんまり好きじゃないな」

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