彩芽

東雲佳奈

私の名前は本郷彩芽。
この4月から高校1年生になる15歳。
新しい友達作って、恋愛して、スポーツして、楽しい3年過ごしてやるぞ！
…なんて思ってるのは周りの人だけ。
私にはここ（学校）でやらなきゃいけないことがある。
なにやら後ろからドタバタうるさい足音が…

『あーやーめー！』
鈍い痛みに振り返ると佳奈がいつものように無防備に立っている
「佳奈様、父上様から学校では迂闊に近寄ってきてはいけないと言われませんでしたか？」
『だってぇー、彩芽が同じ学校行ってくれるのうれしぃんだもぉん』
「ですが、私達の関係は周囲にバレてはいけません」
『そんなに佳奈よりお父さんとの約束が大事なの？』
「私は佳奈様をお守りするためにこのように佳奈様と同じ制
服を着ているのです」『はいはい、いつも佳奈よりお父さんとの約束だもんね彩芽
ってほんとに仕事熱心だね。じゃあ教室行ってるね』
毎度佳奈様には手を焼いている。
私は代々東雲財閥に仕える執事。
佳奈様の執事になってもう3年、佳奈様が高校生となり、なにかと佳奈様に近付く人が増えてきた。
東雲家は高校卒業と同時に結婚して、東雲財閥の業務をこなしていかなければならない。
佳奈様は東雲家初の一人娘だから財閥を継ぎたい男どもや東雲財閥の財産を狙う輩など多くいる。
そういう輩共から佳奈様をお守りしないといけない。
今朝お父様より、高校では佳奈様と距離を置いて佳奈様を狙ってくる輩共を狩るようにと言われているのに、佳奈様ときたらいつもの様にはしゃいでいて、お父様の言うことを聞く様子がない。

なにはともあれ、私は佳奈様をお守りするためにこの高校に入学した。
誰一人佳奈様には指一本触れさせはしない。