毎日、失恋。
うわぁ…

八神くんの柔らかい髪が私の頬を擽る。

「佐奈…良かったね。」

「な、何が?」

抱きしめられたままの状態で聞き返す。

これ、ちょっと大変な状態なんですけど。

顔が熱い…

なのに八神くんはしれっとして…

「何がって…ここ公園で良かったよ。もし僕の部屋なら今頃、佐奈のこと押し倒してる。あんまり可愛いこと言わないで。僕、これでも精一杯堪えてる。」

そう言うとさらにギュッと抱きしめられた。

もう日も落ちて辺りは暗いし寒いはずなのに、体全体が熱くて仕方ない。

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