毎日、失恋。

読モとして活動していた僕の周りには正直、彼女より容姿が優れている子はたくさんいた。

実際、その中にはテレビで既に活躍するモデルの梨杏《りあん》もいたくらいだ。

そんな環境の中にいる僕にしてみればクラスメイトの女の子達を見ても特別なにも思うことなんてなかったのに。

なのに、

なのに…

彼女のその横顔に僕は釘付けになった。

それからの僕は単なる興味と言うより彼女を意識して見るようになった。

長く艶のある黒髪はいつも一つに纏められていてそのせいでむき出しになっている白くてほっそりとした首筋がヤケに僕の胸を騒がせた。

一つに纏めた髪を解いてこの手で触れるとサラサラと手の隙間から落ちていくのだろうか。

一層、頬に手を添え無理にでも僕の方へ向けさせるか？

そんな思いは日に日に強くなり…

そしてやがて気付いた。

と同時に戸惑いもしたけれどもう認めるしかなかった。

僕は彼女に恋してると。

僕に取って初めての恋。

その思いが届くことはない。

それでも彼女への気持ちを抑えることは出来なかった。