死の惑星
レイチェルとフランクリンは、地球で撮ったという千枚以上の写真をエリオットたちに見せながら地球のことを話してくれる。

青い空、緑の広がる大地、さまざまな衣装の人々、楽しそうな祭り、おいしそうなご飯、おもしろそうな文化ーーー。

エリオットはその写真を見たり、フランクリンとレイチェルから話を聞くたびに、地球に行ってみたいと思った。

「地球はアデルバードに比べると、科学はそんなに発達はしてないね。歴史の本を見ても、産業革命が起こったのも十八世紀の半ばから十九世紀にかけてだし…」

「でも、温暖化などの環境問題には会議をしたりして取り組んでいるわ。高校生が多くの偉い人の前で環境についての演説をしたくらいなのよ!」

今日は、地球の環境について話していた。問題から目を背けるアデルバードとは正反対だ。

「人は愚かだけど、この星の人間はずっと愚か…」

地球の砂漠の写真を見て、ビアンカが呟く。他人がいる中でビアンカが発言するのは珍しい。部屋にいる全員が驚いた。
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