死の惑星
「……二人の裁判、一ヶ月後だって」

ビアンカが呟く。その表情はいつもの無表情ではなく、心配を宿している。

「何とかならないのかな。二人が逮捕されて、罪を裁かれるなんてありえないよ!」

セドリックが拳をテーブルに叩きつける。ドン、という音が部屋に響いた。

フランクリンとレイチェルから教えてもらったことが、頭に浮かぶ。地球にある国や、文化、料理、景色、歴史……。全て初めて知ったことだった。わくわくした。ドキドキした。

地球の人たちの考えを知り、アデルバードを救いたいと思った。このままではダメだ。行動しなければならないのに、その人を裁くなんて馬鹿げている。

「二人を救おう!!」

エリオットの言葉に、二人は「もちろん」と頷いた。



フランクリン・クラークとレイチェル・ヒストリアの裁判には、大勢の傍聴人が裁判所に押しかけた。今まで惑星のことを話した人などおらず、二人の裁判には世間の注目が集まっている。
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