死の惑星
裁判所の前には、法廷に入れない大勢の人たち。エリオットたちはその数の多さに驚く。

「……行こう」

セドリックがエリオットの肩を叩く。ビアンカがエリオットの手を握る。エリオットも頷き、三人で法廷の重々しい扉に手をかけた。

エリオットたちは、惑星の話を無理やり聞かされた被害者という風に見られている。そのため法廷に証言するために呼ばれたのだ。

ビアンカが大人に頼んで、二人を助けるための大切なものを用意してくれた。必ず助けらければならない。

コンクリートの廊下を歩く。廊下には三人しかいない。そして、三人の間に会話はない。

しかし、心の中でエリオットたちは話していた。

絶対に助けようね!僕らならできるよ!そんなことを心の中で話していた。

分厚い扉をエリオットが開けると、傍聴人が座る席から多くの視線が集まる。

「ああ、かわいそうな子たち…」

声に出していなくてもそう伝わるような目で、エリオットたちは見つめられた。
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