死の惑星
中心には証言台が置かれ、その前には黒い服を着た裁判官が座っている。

「エリオットくんたち!」

被告人席に、前より痩せたフランクリンとレイチェルが座っていた。その二人を挟むように警察官が座っている。

「君たちはここに座って」

エリオットたちが座ったところで、裁判官が木槌を叩く。

「ではこれより、フランクリン・クラークとレイチェル・ヒストリアの裁判を行う!!」

厳かな空気がさっきよりも強まる。レイチェルとフランクリンの表情が強張った。まるで、判決を知っているような表情だ。

検察たちが証言台に立ち、フランクリンとレイチェルの罪を話す。二人に弁護人はいない。有罪は最初から決まったようなものだ。

それでも裁判を行うのは、他の惑星調査員たちへの見せしめだろう。

検察たちの次に証言するのは、フランクリンとレイチェルの上司。そして次に近所の人。友人。

この裁判では二人を有罪にしなければならない。そのためか、みんなレイチェルとフランクリンを悪く言う。エリオットは殴りかかりたいのを堪え、自分たちが証言する時を待った。
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