死の惑星
「では最後に、被害者三人の言葉を聞こう」

裁判官の言葉に、セドリックが「はい」と答える。三人はゆっくりとした足取りで証言台に立った。

フランクリンとレイチェルは、半分諦めたような目を向けている。その表情にエリオットの心は傷ついたが、ビアンカが気にしないように口を開いた。

「二人は、何も悪くない。二人は正しい。間違っているのは、この場にいる全ての人、そしてアデルバードの人たち」

その言葉に、法廷中が騒ついた。誰もが何かを声に出して言うが、混ざりに混ざった声は三人の耳には言葉として届かない。

裁判官が「静粛に!!」と木槌を何度も叩き、ようやく法廷は静かになった。レイチェルとフランクリンは、驚いた顔でこちらを見つめている。

「僕たちは、二人から地球という星について学びました」

セドリックが言うと、目の前にスクリーンが現れ、青く輝く美しい星が映し出される。

「地球には様々な文化や言葉があり、国と呼ばれるものがあります。国が違えば歴史も政治も全く違う!とてもおもしろい星です」
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